小学生の学習パートナーは72歳、シニアチューター制度

少子高齢化と聞いて、あなたは何をイメージするだろうか。
(中略)
「高齢者」と「子どもの教育」のかけ算で、少子高齢化に伴う問題を払拭しようとする試みが米国で成果を上げている。米国の非営利団体「オアシス・インスティテュート(The Oasis Institute)」は、高齢者にボランティアのチューターになってもらい、学校などで週に30〜45分程度、子どもたちに「世代間個人指導」を行なっている。シニアチューターの平均年齢は72歳で、対象となる生徒は、幼稚園児から中学3年生まで。学力面や情緒面などで学校の担任教師が「気になる子」と判断した子どもたちだ。
(IDEAS FOR GOOD 2月22日)

日本でも保育園や学童保育で子ども達の指導にあたるシニアがいる。ただ、日本では各施設が個別にシニアを募集する例が多い。それに対して、米国では非営利団体が組織的にシニアの募集と派遣を行ってきた。どちらのやり方にも一長一短があるが、一定の規模を持った組織で運営した方が、シニアの動員と質の確保には有利な面もある。日本は、学力面では学習塾や予備校などが組織的なサービスを提供しているものの、情緒面のサポートでは個々の指導者の個人技に頼るところが大きい。

子ども達への情緒面の個人指導には、指導者の人間力が問われる。シニアには人生経験や生きる知恵があるのかもしれない。しかし、それを子ども達の指導に活かすには、子ども達の信頼を得るだけのコミュニケーション能力が必要だ。シニアのそうした能力を効果的に開発するためにも、日本でも子ども達の情緒面に対する組織的なサポートが望まれる。