75歳以上のばあちゃんと若手が「多世代協働」

少子高齢化に対応しつつ地域の持続性をどう確保するか。女性が活躍できる場をどう確保するか。これらは日本の最重要の社会課題であることは言うまでもない。福岡市から自動車で1時間30分ほどに位置する、自然に囲まれた土地・福岡県うきは市浮羽町にて、これらのコアな社会課題に正面からアプローチしているスタートアップがある。昨年(2023年)10月に創業5年目を迎えた、うきはの宝株式会社だ。75歳以上の「ばあちゃん」を含めた20代~90代が共に働く「多世代協働」を掲げ、市場価値のある商品を生み出し、報酬も含めてばあちゃんに還元することを目指して事業を展開している。ばあちゃんのノウハウを生かした食堂運営や食品開発・販売事業で話題を呼び、同年11月にはメディア事業として「ばあちゃん新聞」を創刊した。経験豊富なばあちゃんの知恵と元気な姿を伝えることが狙い。
(未来コトハジメ 1月9日)

たびたびマスコミで紹介される「うきはの宝」、その特徴は高齢者だけでなく20代の若い人を含めた多世代協働による事業展開だ。高齢者が持つノウハウを活かして付加価値を産み、事業につなげるには、様々な業務が必要となる。その全てを高齢者が担うのは難しい。若い世代を含めた多くの世代が協力して働けば、事業化できることの範囲は広がり、高齢者の活躍の機会も大きくなる。

うきはの宝が昨年11月に創刊した「ばあちゃん新聞」も好評だ。YouTubeチャンネル「ユーチュー婆(ばあ)」も運営しているが、新聞にはネットと違った情報の伝わり方がある。企業や団体との接点としては紙媒体のメディアが有利なこともあるだろう。地元の地銀である筑邦銀行が各支店に「ばあちゃん新聞」を置いたのはその一例だ。こうしたメディア活動を通じて、多世代協働のコンセプトと組織運営ノウハウが一般企業にも広がることを期待したい。