元気なシニアが地方暮らしを選ぶ理由

山形県酒田市は、国の地方創生推進交付金などを活用して建設した賃貸マンションに3月末、首都圏などからの移住者を受け入れる。地域活性化を狙った試みで、入居予定者は中高年が中心だ。市内には高齢者に活動的な移住生活を提供して成功している企業もある。
(毎日新聞 2月18日)

シニアが地方暮らしを選択する理由は様々だが、食文化や自然環境に魅せられて移住することが多い。特に、この記事が取り上げた山形県や隣の秋田県は、食と自然の人気が高い地域だ。

ただ、その地域に魅力があっても、ハードルが高ければ、移住する人は限られる。ハードルを下げるには、住居と仕事と地域コミュニティーの充実が欠かせない。高齢者には医療サービスへのアクセスも重要だ。酒田市のように、地方移住に一定の成果をあげているところでは、これらの環境の整備に自治体や地元経済界を始めとする地域社会が積極的に取り組んできた。少子高齢化に悩まされている地方都市にとって、雇用機会の確保は難しい課題だが、移住者の増加自体が雇用拡大の要因となる。人口増加によって、小売業はもとより、医療や介護サービスの需要も増え、地域経済の活性化につながってきた。他の自治体も酒田モデルを参考にしてみるべきだ。