高齢者らの身体機能低下、AIソフトで予測

通所介護(デイサービス)施設向けの業務支援ソフトを手掛けるRehab for JAPAN(リハブフォージャパン、東京・千代田)はベンチャーキャピタルなどを引受先とする第三者割当増資で11億円を調達した。施設に通う高齢者らの体調や身体機能の変化を人工知能(AI)で予測する機能を開発し、8月にソフトへの実装を目指す。4月には施設利用者の運動量やバランス感覚などをクラウドで管理するサービスを始める。これで蓄積したデータをAIで分析し、歩行能力や認知機能が低下する可能性を職員に提示する。デイサービスの日常的な業務を見直し、重症化やケガの防止につなげる。
(日本経済新聞 2月1日)

様々な分野で応用が進むAIだが、介護施設でも活用されるようになってきた。Rehab for JAPANのシステムは、職員が入力した利用者の健康情報や身体機能情報を基に、利用者の将来のリスクをAIで予測し、自動で作成しているリハビリ計画に反映する。これによって、リハビリ計画の精度が向上し、より効果的なリハビリの実施が期待できる。今後、データをクラウドで管理するようになれば、多数の事業所からデータを収集することができるため、より豊富なデータを基にAIを継続的に学習させ、進化させることが可能だ。AIの予測精度はさらに向上するだろう。

このようなAIシステムは、介護施設の外でも役に立つ。たとえば、健康情報や身体機能情報を収集するセンサーを身につければ、家庭でも歩行能力や認知機能の低下リスクを知ることができる。同様に、職場で利用すれば、従業員の健康上のリスクを予想することもできる。そうなれば、高齢者の職場での安全確保にも寄与することになるだろう。