鹿児島県 バス運転手の高齢化

バスの運転手の高齢化が全国で進んでいます。NHKが県内の主要なバス事業者について運転手の平均年齢を調べたところ、全国平均よりも6歳近く高い58.7歳となっている会社もありました。厚生労働省が去年発表した統計によりますと、10人以上が働く会社でのバスの運転手の平均年齢は53.0歳で、鉄道の40.3歳や航空機の41.1歳などと比べて高齢化が進んでいます。
(NHK鹿児島 1日12日)

バスやタクシー、トラックなどの運転手は高齢化が進んでいる。こうした業界は中小企業が中心で、大企業が多い鉄道や航空に比べて、若手の採用が難しい。そのため、定年後も再雇用するケースが多く、運転手の平均年齢は高くなる。鹿児島県では、最大手の鹿児島交通でも60代が43%、70代が11%だという。つまり、20代、30代の運転手が平均値を押し下げるので平均年齢は50代になるものの、人数で見れば、運転手の過半数は60歳以上だ。

バスの運転手の高齢化は問題だという見方もある一方、定年後も働く機会を提供している点では、ポジティブに評価することもできる。運転という技能を高齢になっても発揮して仕事を継続できることは、運転手本人にとっても、バス事業者にとっても、そして、地域社会にとっても歓迎すべきことだ。課題があるとすれば安全確保だが、これは、技能や健康の状態の把握や労働環境の改善である程度達成することができる。特に、今後、バス自体の技術革新によって、自動的な危険回避や部分的な自動運転が可能になってくることを考えれば、バス事業者は、こうした技術や組織運営の改革を進め、運転手が高齢化しても安全が確保できる体制を構築することに注力すべきだ。