60歳以降も働きたい女性は約8割、老後のお金に不安

日本の企業では一般的に取り入れられている定年制度。1970年代以前は55歳が一般的だったが段階的に引き上げられ、2021年4月からは70歳までの働く機会の確保が企業の努力義務となった。
キャリアデザインセンターは、女性向け転職サイト「女の転職type」の会員女性749名を対象に、「いつまで働くか」に関するリサーチを実施。最多の回答が「60~65歳」で46.1%。次いで「70~80歳」(14.2%)、「一生涯」、「40~55歳」(いずれも17.4%)という結果に。一般的な定年である60歳以上と答えた割合は約8割を占めた。
(Forbes JAPAN 1月4日)

女性も男性もその多くが60歳以降も働きたいと思っている。ただ、今までは、専業主婦が一定の割合を占めていたため、男性に比べて女性の方が、就労意欲が低かった。男女雇用機会均等法が施行された後に社会に出た女性が60代になる時代を迎え、高齢者の就労意欲における性別差は縮小している。特に、今回のアンケートは、女性向け転職サイトの会員が対象であるため、働く意思が強い人が多い。

一方で、この強い働く意思に応えられる社会環境かと言えば、必ずしもそうではない。このアンケートでしたい仕事として1位に挙げられたのは、「簡易的な仕事を無理なくやりたい」で29.2%だが、これは、希望というより、現実と折り合いを付けた結果とも言える。より本音に近いのは、2位の「現役時代の経験を活かして別の仕事をしたい」(22.8%)や3位の「現役時代と同じような仕事を続けたい」(19.4%)かもしれない。しかし、女性の場合、能力が高くても出産や育児でキャリアを中断することがあり、年配になると希望するようなポジションを得るのが難しいケースもある。シニアの男女の雇用機会を均等にするには、現役時代のキャリア形成に性別差が生じないよう、制度設計をする必要がある。