みずほFG、年功序列の給与体系廃止へ…各人の業務に応じた「役割給」に一本化

みずほフィナンシャルグループ(FG)は21日、年功序列型の給与体系を実質的に廃止し、個人の能力がより反映される新たな人事制度を導入すると発表した。企業年金は長期勤続を優遇する仕組みを改め、個人の運用実績によって給付額が変わる企業型確定拠出年金(DC)に一本化する。
(中略)
55歳になると、一律で給与水準が下がって仕事量も減る「専任職員制度」もなくし、シニア人材の活躍を促す。
(読売新聞  11月22日)

年功序列から能力と成果に基づく給与体系に移行すれば、年齢によって「一律で給与水準が下がって仕事量も減る専任職員制度」の存在意義はない。今後は、若くても給与水準が下がって責任は軽くなる職員と高齢になっても給与水準が上がって責任は重くなる職員が、企業の中で混在することになる。年齢に関係なく、能力と成果で処遇が決まる世界の到来だ。

同様に、終身雇用も大企業の人事制度の前提でなくなった。労働力の流動性が高くなり、職員の多くが頻繁に転職するということであれば、企業年金は、勤続年数が長いほど有利になる確定給付企業年金(DB)より、転職時に不利にならないDCの方が合理的だ。勤続20年以上でなければ受給権がないDBでは、中途採用で人材を確保することが難しいし、定年まで働くつもりのない優秀な若い人材を引きつけることもできない。

かつては、学生の就職先として人気を博していたメガバンクも、今やコンサルティング・ファームのような高収入が期待できる職種に採用では押され気味だ。伝統的な銀行業務だけでなくコンサルティングにも業容を拡大していかなければならない銀行業界としては、人事制度の面でもコンサルティング・ファーム並みになる必要がある。