高齢者・障害者の雇用促進、第2キャリア 生き生きと

ビルメンテナンスのセイセイサーバー(静岡市)は高齢者雇用や、障害者の自立・就労支援に積極的に取り組んでいる。厚生労働省などが実施する2022年度高年齢者活躍企業コンテストで「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰」の優秀賞を受けた。
(中略)
従業員約350人のうち、女性はパートを含め7割。60歳以上の従業員は全体の6割を占める。最年長者の84歳をはじめとする人たちが、警備や設備点検・修理、清掃などの仕事に当たっている。
(日本経済新聞 10月29日)

ビルメンテナンスは高齢の従業員が多い業界だが、その中でも、セイセイサーバーは高齢者の活用を徹底させている。新卒採用を行わず、他社の早期退職者や65歳以上の高齢者を主に採用してきた。退職者も永年スタッフとして登録しておくと、将来、再雇用される可能性もある。このため、家族の介護や自身の健康問題などで退職せざるを得なかった従業員も、状況が変われば、仕事に復帰することができる。70歳以上の従業員は全体の24.8%で、最高齢は85歳だ。

こうした高齢者向けの人事制度が効果的に機能するためには、高齢者が若手の補助だけではなく、現役として主体的に仕事の責任を担う必要がある。セイセイサーバーでは、高齢者に、現場の指導者や勉強会の講師など、技能を社内に伝える機会を積極的に与え、会社全体の付加価値と高齢者の会社への帰属意識の向上を図ってきた。こうした取り組みは、他社にとっても参考になるだろう。