立ち上がるホームエージェント 普及するか新たな旅行業モデル

米国で一定の地位を確立しているホームエージェントを参考に、日本でもホームエージェント型旅行業者代理業の普及を目指す動きがある。人材の活用・確保という目的と新たな働き方の両ニーズを満たす新たなスタイルとして、期待が高まる。
(中略)
米国旅行業協会(ASTA)の加盟会社概要によれば、売上高100万ドル以下の旅行業者が45%を占め、従業員なしが33%とされており、パパママエージェントが多数を占めていることがうかがえる。自宅を事業拠点とするケースも約4割を占める。
(トラベルジャーナル・オンライン 8月29日)

米国で小規模なパパママエージェントが多いのは、規制が緩いから、という理由もあるので、日本で同じようなことが直ちに起きるとは限らない。ただ、海外からの観光客が増加するにつれ、日本でもホームエージェント型旅行業者代理業のニーズは高まるだろう。宿泊業の規制緩和によって民泊が可能になったように、日本でもパパママエージェントが生まれるかもしれない。

そうなれば、観光市場に高齢者の新たな雇用機会が生まれることになる。今でも各地で観光案内にシニアが活躍しているが、宿泊や交通の手配も行う旅行業者代理業者になれば、さらに業務の幅は広がる。もっとも、米国のパパママエージェントは、旅行業者であって、旅行業者代理業者ではない。旅行業者代理業者は、一つの旅行業者の代理をする業者であって、販売する商品は所属の旅行業者の商品に限られる。一方、米国のパパママエージェントは、旅行業者なので、顧客のニーズに従って自由に旅行を設計することが可能だ。観光に詳しいシニアの能力をより活かすには、ホームエージェント型旅行業者の解禁も検討すべきだろう。