82歳が立ち上げた話題のバッグブランドG3sewing

日本の労働環境は大きく変化してきた。
(中略)
84歳の父(G3:じーさん)、80歳の母(B3:ばーさん)、50歳の娘のKikiさんを中心にしてスタートした「がま口バック」のネット通販G3sewing(じーさんソーイング)が、高齢者の働く実例として、注目を集めている。G3の年金は月額3万円、68歳から次々と病に侵され、ほとんど寝たきりの状態だった。あまりの辛さにずっと生きづらさを抱えていたと言う。それが82歳の時、娘からミシンの修理を頼まれたのをきっかけに、モノづくりの楽しさに目覚めたのである。作ったものをプレゼントして楽しんでいたが、どうしても材料費が嵩んでしまう。孫のヒントで、作ったものをTwitterで紹介したところ、大人気となり、世界中から注文が殺到するようになった。
(@DIME 9月1日)

楽しいと感じる仕事をし、その成果を世の中から高く評価されれば、シニアならずとも元気になる。ただ、高齢者の場合は、免疫力や活動しようという意欲が減退することも多いので、楽しい仕事で社会に貢献することは、肉体的にも精神的にも健康を保つ上で特に重要だ。

G3sewingの場合は、高齢の夫妻だけでなく、子どもや孫が協力しているのが成功要因のひとつになっている。仕入れやネットによる販売は、若い世代の方が得意だ。特に、Twitterなどのソーシャルメディアの活用は、孫世代の方が、長けているし、若い世代への訴求力が強い。

G3sewingは家庭内工業の段階だが、これを法人として事業展開する場合も、同様の事業モデルが有効になる。シニアのノウハウと活力を引き出しながら、若い世代が得意な能力と補完し合うように事業全体を組織化すること、これが重要成功要因だ。