高齢者の交流と元気の拠点に空き家活用、サロン開設

自宅にこもりがちな高齢者に憩いの場を提供しようと、伊王野地区の自治会長らでつくる同地区地域づくり委員会は、空き家を活用したサロン「笑楽幸(しょうがっこう)」を開設した。同地区で初めての取り組み。伊王野小跡地のすぐ近くに位置し、地元の高齢者がかつて通った学校にちなんで名付けた。地域活性化や生きがいづくりにつなげていく。
(WAM NET  7月22日)

栃木県那須町の伊王野(いおの)は、福島県との県境にあり、東山道の宿場町として栄えてきた。国の重要文化財に指定されている古民家もあり、長い歴史の遺産を今に受け継ぐ町だ。こうした町で、今、過去からの遺産である空き家の活用が進んでいる。地元の建設業者には、公民館のような施設を新築した方が歓迎されるかもしれない。しかし、税金の使い方としては、既存の建物の再利用の方が、コスト・パフォーマンスが良い。今回開設した笑楽幸の場合、費用は140万円だという。1,400万円の箱物を1棟建設するよりも140万円のリフォームを10件実施して、10軒の笑楽幸を開設した方が町の活性化には役に立つ。

一定の規模のサロンが町にできれば、そこに集う高齢者の数は大きく増える。次第にサロン間の交流も活発になるだろう。人が集まれば、そこに市場が形成され、仕事と雇用も生まれてくる。地域経済の活性化は、まず、人が集まる場所と機会を作ることから始めるべきだ。