定年後も働きたい理由、20〜30代は生活資金、40代以降は?

60歳で定年を迎え、以降は悠々自適な余生を送るというのはもう過去のこと。
(中略)
ロバート・ウォルターズ・ジャパンはこのほど、語学力と専門スキルを活かして働く20代から60代までのグローバル人材728名を対象にした「定年後の働き方」に関する調査の結果を発表した。
(中略)
50代では、1位「社会との関わり」(39%)、2位「生活資金」(35%)。60代では、1位「社会との関わり」(36%)、2位「働くこと自体が好き」(31%)だった。年代別で順位が異なるものの、リタイア後も「社会との関り」を望んでいる会社員は多く、仕事が社会とつながる機会となっていることが伺える。
(@DIME 7月12日)

定年後も働きたい理由を尋ねるアンケートで、いつも上位にくる回答は、「社会との関わり」や「生活資金」だ。今回の調査では、これらに加えて、60代の2位に「働くこと自体が好き」というのがはいった。団塊の世代よりも少し若く、就職氷河期世代よりも年齢が高いこの世代が20代の頃、日本は1980年代のバブル景気の真っ只中にあった。当時、よく働き、よく遊んだのがこの世代だ。深夜まで働き、そこから銀座や六本木に繰り出して、終電が終わるまで遊び、会社支給のタクシー券を使って帰宅していた人も多いだろう。60代になったから「働くこと自体が好き」になったわけではなく、この世代は、20代の頃から働くことに肯定的だった。

一方、今の20~30代は、「ワークライフバランス」を重視する。この調査の「働くうえで重視していること」という質問への回答で、20~30代の女性の1位と男性の2位は「ワークライフバランス」だ。この世代は、40年後、高齢者となっても、ワークライフバランスを重視する価値観は変わらないだろう。

高齢者が働くことに求めるものは、時代とともに変化する。高齢者の雇用に関する社会制度には、将来のニーズの変化に順応する柔軟性が求められる。