70代のひとり暮らし。月約5万円の年金でも不安がない理由

70代、ひとり暮らしのシニアブロガー・紫苑さん。月約5万円の年金をやりくりしながら、お金をかけなくても豊かな暮らしを実践しています。
(中略)
1か月5万円で暮らすため、衣食住…さまざまな工夫を試しました。食事は安い食材で自炊、オシャレは手持ちをリメイク、インテリアはDIYと、試行錯誤を繰り返すうちに節約を楽しむゆとりも。「工夫すれば年金で暮らせることがわかり、お金の不安が消えました。自炊と運動で以前より体調がいいし、健康寿命を延ばして、これからの暮らしを楽しみます」
(ESSE online 5月25日)

この記事で紹介されている紫苑さんは、家賃を払い続けるよりはと、貯金をはたいて中古一戸建てを購入したそうだ。一戸建ての維持にも費用はかかるが、将来の家賃の値上りリスクから解放されるというメリットがある。月5万円の年金だけでは、生活は楽ではないが、長生きリスクを低減して、不安のない持続可能な老後を生きるには、将来の費用増加の要因を少なくすることは重要だ。また、収入は少なくても、工夫次第では精神的に豊かな生活を送ることができる。紫苑さんにとっては、そういう工夫も楽しみのひとつなのだろう。

今年は、年金が減額される一方で世界的なインフレが高進し、年金生活者にとっては経済的に厳しい状況が続く。日本の金融緩和政策が続く限り、内外金利差から円安も続き、国内の物価上昇は止まらない。こういうときこそ、少ない費用で豊かな生活を享受するための知恵を社会で共有し、より多くの人々が人生を楽しめる社会にする必要がある。