明治安田生命、60歳以上で転勤 知見継承へ新制度を導入

明治安田生命保険が、60歳以上の総合職社員を対象に、全国転勤した上で各地で指導的な役割を担う新たな人事コースを導入したことが2日、分かった。同社の定年は65歳だが、これまで60歳以上は転居を伴う異動の対象外だった。バブル期前後の大量入社世代が今後10年程度で順次定年を迎えるのを見据え、知見の継承や安定的な労働力の確保を進める狙いがある。
(共同通信 5月2日)

元々、全国を転勤してきた総合職の社員にとって、60歳を過ぎても転勤することに抵抗はない。定年が65歳なのであれば、定年前であるにも関わらず60歳以上が転居を伴う異動の対象外であったことの方が、違和感がある。会社が本人の望まない転勤を求めて退職を迫るのでは、と危惧する人もいるかもしれないが、むしろ、活躍する場が全国に広がることをポジティブに捉えるべきだろう。

生命保険会社のように、全国を転勤する社員と地域別に採用される社員で構成される会社の場合、人員の少ない支店では、専門性の高い知識を持った社員を育てることが難しい。専門的なノウハウを持ったシニア社員が各支店の現場で支援すれば、そのノウハウを支店に継承することができる。シニア社員にとっても、やり甲斐を感じられる仕事のはずだ。