「一番若くて65歳」高齢者だけの派遣会社

「定年を迎えても、気力・体力・知力のある方々に働く場と生きがいを提供します!!」
 一風変わったキャッチコピーが印象的な「株式会社高齢社」。65歳以上の人を対象とした人材派遣を行う企業だ。
(中略)
高齢社では1つの仕事を複数人で分け合う「ワークシェアリング」を取り入れている。例えば1つの募集に対し、短い時間の勤務を希望する人を3人派遣するなど、体力や目的に合わせ、人それぞれの働き方を提供している。

(ABEMA TIMES 2月2日)

65歳以上の人向けの人材派遣というとシルバー人材センターを思い浮かべるが、「高齢社」の特徴は、「1つの仕事を複数人で分け合うワークシェアリングを取り入れている」ところだ。シルバー人材センターでも、たとえば、植栽剪定を請け負った場合、複数の会員に担当させているが、一人が事故を起こしたときに他の会員がバックアップできるよう安全のために同じ仕事を複数人で行っているだけで、作業を細分化してその一つ一つに異なる担当者をアサインしているわけではない。その点、高齢社のワークシェアリングは、分解した作業の一つ一つに最適な人材を割当てている。

あまりに作業を細分化し過ぎると、個々の仕事量が小さくなり、報酬も少なくなるが、それでも、同様の仕事を多く受注できるのであれば、シニアの方はタイムシェアリングをすることができ、全体では相応の収入を得ることができる。何より、自分のスキルや経験を活かせる仕事を選択できる機会が増えるのは、シニアにとって朗報だ。受注業務のワークシェアリングとシニアの労働時間のタイムシェアリングが高齢社のコア・コンピタンスになっている。