高齢者が働きやすいように工夫されている企業コンテストの最高賞

高齢者が働きやすいよう工夫されている企業のコンテストで、山梨県韮崎市の「ササキ」が山梨県内で初めて最高賞となる厚生労働大臣表彰最優秀賞を受賞しました。ササキは定年が65歳ですが希望すれば70歳まで雇用を継続し、その先も条件が合えば働ける仕組みをとっています。また高齢の従業員を「範師」に任命し、経験や技を若手に引き継いでいることなども評価されました。
(テレビ山梨 12月20日)

令和3年度高年齢者活躍企業コンテストで最優秀賞を受賞したササキは、ワイヤーハーネスの製造加工をしている従業員200名強の会社だ。70歳以降も年齢の定めなく再雇用し、現在の最高年齢者は72歳だという。ワイヤーハーネスは、一言で言えば機械の中の電線の束だが、見た目ほど単純ではない。自動車や電気機械など用途によって、屈折耐久性能や耐熱性能、ノイズ除去などで特殊な仕様が必要になり、製造にはノウハウがいる。ノウハウを蓄積したシニアが退職せずに若手を指導し続けてくれることは、企業にとっても有益だ。

ササキは、この指導役のシニアに「範師」という肩書きを与えている。本人にも、他の従業員にも、会社の中での立ち位置を明確に示すためには、このような称号をつけることは効果的だ。ササキでは、「範師」は役職名だが、その他にも専門職の称号としては、「マエストロ(巨匠)」「マイスター(匠)」「スペシャリスト(職人)」もある。範師と巨匠ではどちらが偉いのか分かりにくい面もあるが、能力に応じて処遇し、それを称号で表現することには、定の意味がある。