市の活性化へ古民家改装 高齢者の雇用の場

明治期の創業で、うきは市内唯一の酒蔵「いそのさわ」が、敷地にある築約130年の古民家を地域活性化の拠点として再生しようとしている。古民家を改装し、食堂や宿泊施設などを整備。地元の食材を使った料理を提供し、観光地で余暇を楽しみながら仕事する「ワーケーション」にも対応する。コロナ禍でも集客が見込める新たな施設を目指し、高齢者の雇用の場にもしたい考えで、11月末に開業する予定。
(読売新聞 10月9日)

古民家はその地方が世代を越えて受け継いできた遺産だ。活用の仕方によっては、他にはない価値が生まれることもある。福岡県うきは市のこの古民家もそのひとつだ。古民家活用店舗は各地にあるが、「いそのさわ」の古民家は、ワーケーションにも対応し、若い現役世代の長期滞在も可能にしている点が特徴だ。

コロナ禍が収束したポストコロナの時代になってもワーケーションの需要は増大する。今では、各地を転々と移動しながら仕事をする人も珍しくない。観光と酒と食事と快適な仕事環境の取り合わせは、集客に威力を発揮するだろう。

こうして集まった若い世代が、長期滞在を通して、古民家で働く地元の高齢者と交流を深めることができるもの良い点だ。古民家1階の食堂では、75歳以上の高齢者が働くという。滞在する若い世代にとっても、地元の高齢者にとっても、古民家でのコミュニケーションは、貴重な体験になる。