クボタ、定年を65歳に引き上げ 働く意欲向上図る

クボタは2022年4月から社員の定年年齢を60歳から65歳に引き上げる。管理職を除く総合職と技能職の社員約100人(22年4月時点)が対象。週3回出勤など働きやすい仕組みを検討していく。正社員期間を5年延ばすことで、シニア社員の働く意欲向上を図る。
現在は60歳から65歳までを再雇用期間と位置づけ、本人が希望すれば雇用している。60歳以上の9割の社員が再雇用社員として働くが、雇用形態が変わることでモチベーションの低下に悩む声もあったという。
(日本経済新聞 9月30日)

60歳以上を再雇用とする企業が多いのは、60歳までとの働き方や待遇を変えたいからだ。しかし、正社員のままでも週3回出勤など働き方の多様化が図れるなら、再雇用と定年延長の差は小さくなる。むしろ、再雇用によって一律に待遇が悪くなるよりは、定年延長で好待遇の余地を残した方が、選択の幅は広い。高い成果を上げるシニア社員は、今までの再雇用社員よりも高い給与を得ることができ、モチベーションを維持することができる。

日本企業全体では、定年延長よりも再雇用制度を採用する企業の割合が多いが、今後は、シニア正社員の働き方の多様化とともに、次第に定年延長を選択する企業が増えるだろう。また、正社員の働き方の多様化は、シニア世代だけでなく、若い世代にも広がってきた。多様性のある働き方が一般化すれば、年齢によって退職するという定年制度そのものがなくなる日も近くなっていく。