高齢顧客への対応…シニア活用様々

70歳までの就業機会確保を巡り、人事制度の改革を迫られる企業の対応はさまざまだ。今後、人手不足が見込まれる業種がある一方で、大量の「定年予備軍」となったバブル期採用社員の処遇に苦労する企業もある。
(中略)
サービス業界では、高齢者の顧客対応には高齢者自身が適しているといった判断も。家電量販店のノジマは、65歳定年後の再雇用を最長80歳まで延長できる制度を導入。高齢の顧客ニーズへの対応もあり、店舗の販売員や本社従業員約3000人が対象。
(東京新聞 5月23日)

それぞれの企業が置かれている環境によって、シニア活用のあり方も様々だ。その中で、個人顧客と直接、相対してビジネスを行うBtoCの企業では、顧客対応にシニアを活用する例が増えている。

元々、百貨店のように顧客層が比較的高齢の業界では、店頭に高齢の店員を配置して接客することは珍しくなかった。若い女性向けの婦人服売り場では、店員も若いが、スーツのようなビジネス向けの紳士服では、年配の店員が多いこともある。

一方、電器量販店では、製品の仕様に詳しい店員が好まれることから、若い店員が比較的多かった。しかし、個人に商品を売るには、商品の仕様に関する知識だけでなく、消費者の生活の中での使用方法を理解している必要がある。仕様と使用の両方の観点が必要なのだ。今や、社会全体の高齢化の中で、電器量販店の顧客も高齢化が進んでいる。高齢者のライフスタイルを理解している高齢の店員の接客は、電器量販店においても、仕様と使用のより良いマッチングを実現させるに違いない。