明治安田が再雇用70歳まで延長 制度刷新、シニア層の就業機会拡大

明治安田生命保険は4月から定年後の再雇用制度を刷新し、これまで最長65歳としてきた嘱託再雇用の年齢上限を70歳に引き上げた。年齢にとらわれず働く意欲のあるシニア層の就業機会を広げる狙いだ。
(中略)
 同社は10年後の職員総数の自然減、とりわけリーダー役を担う40代が4割強減少し手薄になるのを見据え、これまでの経験や知見を生かしたシニア層の戦力化が不可欠として新制度を創設した。
(SankeiBiz 4月19日)

70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とした改正高齢者雇用安定法に対応するには、現行のシニア向け人事制度を70歳まで延長することだ。明治安田生命のように、60歳から65歳まで嘱託再雇用で働ける制度を用意している場合には、この制度の対象を70歳まで延ばせばよい。

ただ、一般に、年齢が上がるにつれて、シニアが求める働き方は多様性を増す。65歳以上は、さらに選択の幅を拡げる必要が生じることも想定しておかなければならない。

明治安田生命は、すでに65歳定年制を導入しており、60歳の時点で、そのまま継続するか、退職して嘱託再雇用になるかを選択することができる。今回の制度改正で、65歳以降も嘱託再雇用が可能となるが、定年は延長されない。その分、働き方の選択肢は狭まることになる。選択肢を再び拡げるには、さらになる定年延長や嘱託再雇用制度のメニューの拡充が求められる。