AI技術を支える「アノテーション」八戸の企業に注目

人工知能(AI)の精度を上げるために必要なデータを入力する「アノテーション」という作業をめぐって、青森県八戸市にある障害者就労継続支援会社「はちのへ東奥朝日ソリューション」(亀橋進社長)が注目を集めている。三菱UFJリサーチ&コンサルティング(東京)も趣旨に賛同して協力しているほか、八戸市も有望なビジネスモデルとして支援を決めた。アノテーションは、英語で「注釈」の意。AIの精度を上げるため、大量のデータを入力する作業をさす。(朝日新聞デジタル1月28日)

AIに学習させるデータには、正解が付いている。たとえば、猫の写真には「猫」というラベルが付けられ、犬の写真には「犬」というラベルが付けられている。このように正解をラベルに書いて貼付しているデータを大量にAIに学習させると、AIは未知の写真を見て、それが猫なのか犬なのかを識別できるようになる。正解付きのデータで学習させるので、これを教師有り学習という。この正解のラベルを付ける作業がアノテーションだ。アノテーションをする人はAIを教育する教師とも言える。人間の教育と同じで、教師の教え方が悪いとAIは賢くならない。したがって、アノテーションは、教員と同様、ノウハウを必要とする難しい仕事だ。ただ、学習目的に合わせた正解の付け方が確立すれば、付ける作業自体は単純化される。AIの専門家でなくても作業はできるし、高齢者や障害者などで通勤が困難な人でも、自宅で請け負うことが可能だ。大都市圏から離れた八戸市でも仕事はできる。地方の高齢者がアノテーションの仕事に就くことは、今でこそニュースになっているが、新型コロナウイルス後はニューノーマルとなるだろう。