北海道、主婦や高齢者の就職支援

北海道は育児中の主婦や高齢者、障害者の就職を支援する事業を始めた。函館市と苫小牧市を対象に2021年2月までに100人の新規就業を目指す。時間や体力に制約があってもできる短時間勤務などを紹介し、企業の人手不足の緩和にもつなげる。中小企業の採用支援などを手掛けるBWORKS(札幌市)が運営を受託し、ウェブサイト「はたらけーる」を開設。企業は無料で求人情報を掲載できる。企業や求職者の相談に応じ助言なども行う。
(日本経済新聞北海道版 11月4日)

全国各地の自治体が、高齢者を含む新たな人材の労働市場への参入を促す事業を推進している。北海道は、「潜在人材掘り起こし推進事業」と称して、子育て中の女性、高齢者、障がい者のうち、求職活動を具体的に行っていないなど、就業への意思が明確でない無業の人を対象に、就業意欲の喚起を行ってきた。

既に求職活動をしている人には、官民の既存のマッチング・サービスを紹介すればよいが、働く意思を明確に持っていない人々に就業意欲を持ってもらうには工夫が必要だ。求人情報の提供だけでなく、その求人の内容を潜在人材のニーズに合ったものにしなくてはならない。

そのためには、潜在人材と言われている人々が就業意欲を持ち、労働市場に顕在化してもらうための雇用条件などのニーズを把握し、企業側とすり合わせをするなど、一歩踏み込んだマッチングが求められる。北海道のチャレンジに期待したい。