住友商事、20代で「管理職」 総合商社が閉塞感打破へ新人事制度

総合商社が人事制度にメスを入れている。住友商事や三井物産は4月、若手を早期に管理職級に抜てきする制度を導入。双日は副業などを希望する中堅以上の社員が転籍できる新会社を設立し、独立も支援する。若手の離職や手厚い待遇に安住する中堅社員の存在で漂う閉塞感の打破を狙う。
(日本経済新聞 4月26日)

定年を廃止し、高齢になっても管理職を続けることを可能にする企業がでてくる一方で、若くして管理職になれる企業も増えている。一見、反対の方向性のように見えるが、年齢よりも能力を重視するという点では同じだ。

ただ、能力は、それを発揮する場を与えられなければ、顕在化せず、評価の対象にはならない。企業は、若手にもシニアにも、様々な能力を発揮しうる機会を提供すべきだ。

たとえば、三井物産は若手でも関連会社の経営者になれる制度を始めた。関連会社への出向は、以前は片道切符だったが、この制度では本社の管理職として戻ってくることができる。これは、若手にとって経営者としての能力を磨く良い機会だ。また、会社にとっては社員の能力を見極める機会でもある。担当者として有能な人材が課長として有能とは限らないし、課長や部長として有能な人材が社長として有能とは限らない。経営者としての能力の高い人材が、担当者としては成果を上げられず、管理職にもなれないこともある。

同様に、シニアに対しても、それまでの社内のキャリアとは異なる職責を与える機会があるべきだ。今までとは異なる立場で仕事をすることで、新たな能力を開花させることもある。