55歳以上を対象に「介護に関する入門的研修」、奈良県

奈良県は8月31日、「介護に関する入門的研修」の参加者の募集を開始した。介護人材の確保とシニア世代の社会参画を推進することを目的として、介護の仕事に興味のある元気なシニアを対象に、介護に関する基礎的な知識や技術を学ぶ入門的研修を実施する。また研修の実施だけでなく、受講者がスムーズに介護施設などへ入職できるよう、きめ細やかな就職支援も行う。
(介護ニュース 9月2日)

奈良県に限らず、日本全国でシニアの介護人材を増やす施策が展開されている。慢性的な人手不足に悩む介護業界にとっては、シニアの労働力は魅力的だ。一方、シニアにとっても介護の仕事は日常の延長線上にあって取り組みやすい。また、介護の知識や経験は、家族の介護や自身が要介護になったときの日々の生活に役立つ。

今回の奈良県の研修は5日間に渡って24.5時間の講義と実習を行うもので、短期間とはいえ、本格的な内容だ。55歳以上であれば誰でも参加でき、対象者の年齢に上限はない。

この研修の受講者のすべてが介護施設で働くわけではないが、こうした知識や技術を習得した元気な高齢者が増えていくことには、社会的な意義がある。他の自治体も、高齢者の雇用機会の拡大に留まらず、社会的な相互扶助の一環として、このような事業を推進してもらいたい。