⾼齢者や障害者が主役のカフェ

⼋⼾市の池⽥介護研究所(池⽥右⽂代表)が運営する同市⼀番町の共⽣型通所介護施設「無添加お弁当 ⼆重まる」が、今⽉から新たに「⼆重まるカフェ」の運営を始めた。施設を利⽤する⾼齢者や障害者らにも接客などに関わってもらうことで、利⽤者のやりがいを創出すると共に地域交流の場としての活⽤も⽬指す。
同施設では趣味の活動や⼊浴を専⾨スタッフが⽀援するデイケアに加え、利⽤者が弁当作りや販売、チラシ作製などの軽作業を⾏い賃⾦を得る「お仕事タイム」を設け、⽇々の暮らしの充実を図っている。

カフェは販売した弁当を⾷べて交流できるスペースとして新設。壁の塗装や棚は、⼤⼯経験がある利⽤者を中⼼にスタッフが協⼒して⼿掛けたという。
(デーリー東北 8月25日)

日本各地で介護施設と高齢者の憩いの場を共存させる試みが進められている。加えて、この施設は、高齢者の働く機会も提供した。さらに、介護保険と障害福祉を包含した共生型サービスであることから、高齢者と障害者が同じ施設でサービスを受けられ、集まる人々も多い。今後、地域のコミュニティーの核として成長することが期待される。

人が集まれば、そこから多様なアイデアが生まれるものだ。たとえば、この「二重まるカフェ」で製造、販売している弁当は、「無添加お弁当」と銘打って、無添加を付加価値にしている。単に介護や福祉のサービスを受けるだけでなく、自分の想像力を発揮し、その結果がコミュニティーに承認され、賞賛される環境が存在することの意義は大きい。高齢者が生きがいを持って活動するには、受け身でサービスを享受するだけでは不十分だ。マズローの欲求5段階説で言えば、社会的な承認や尊厳の欲求が満たされ、自分が世の中に役に立っているという実感を得ることが重要になる。これは、共生型サービスが、今後、担うべき課題のひとつだ。