ファミマとローソン、商品陳列のロボット導入へ

ファミリーマートとローソンは30日、遠隔操作で商品の補充ができるロボットを店舗に導入すると発表した。いずれもベンチャーの「テレイグジスタンス」(東京)と手を組み、同社が開発したヒト型のロボットをまずは同社が関わるフランチャイズ店などで使い始める。将来的にほかの店舗でも導入を進め、慢性的な人手不足の解消をめざしたい考えだ。
(中略)
 コンビニ業界では人手不足が課題となっている。遠隔操作できるロボットを使えば1人で複数店の補充作業ができるため、人手不足の解消につながる可能性がある。また障害者や高齢者たちが操作できるようになれば、雇用の幅も広げられそうだ。
(朝日新聞 7月1日)

元々、テレイグジスタンスという言葉は、固有名詞ではなく、普通名詞だ。英語表記ではtelexistence。つまり、遠隔という意味の接頭語であるteleと存在という意味のexistenceを組み合わせた造語で、遠隔臨場感といった意味合いで使われる。テレイグジスタンス株式会社は、テレイグジスタンスの提唱者である舘暲(たち すすむ)氏が会長を務める会社だ。

遠隔操作と言えば、無人偵察機や無人爆撃機など軍事目的の利用がよく知られているが、ロボット工学や半導体の進歩によって低価格化が進み、今や巨大な民生品市場が立ち上がろうとしている。今回のコンビニ業界への適用もそのひとつだ。

テレイグジスタンスを装備したロボットを各店舗に配置すれば、一人の操作者で複数の店舗の商品補充ができ、省力化につながる。また、実際の作業はロボットがするため、操作者は体力を必要としない。さらに、店員が商品補充の作業から解放されるため、店員はレジ対応など体力を使わない仕事に専念できる。したがって、操作者と店員の双方において、体力に自信のない高齢者の雇用は拡大する可能性が高い。ITが、高齢者や障害者のバリアを低減し、雇用機会の拡大に貢献する時代になってきた。