非正規・高齢者の労働相談増加

新型コロナウイルス感染拡大の影響で労働問題や生活不安が深刻化していることを受け、労働組合や支援団体からなる「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守る なんでも電話相談会実行委員会」が17日、厚生労働省(東京都千代田区)など関係省庁に対し生活困窮への対策を求める要望書を提出した。
(中略)
中でも70代以上の非正規労働者による相談増加が特徴だという。−−− 年金では生活が成り立たず、不安定雇用で働かざるを得ない現状がある。さらに、高齢者がコロナ禍の中で、仕事を失い厳しい状況に陥っていることも浮かんだ。
(毎日新聞 6月18日)

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で非正規雇用が縮小している。営業自粛は解除されたものの、自主的な外出自粛は続いており、雇用の回復には、まだ時間がかかりそうだ。

配送など逆に雇用が拡大している職種もあるが、比較的若い層から採用するため、高齢者にとっては厳しい局面が続いている。

行政としては、高齢者ができる仕事の開拓と斡旋に努めるとともに、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための対策を速やかに実行する責任がある。

厚生労働省は、自治体に対して、生活保護の受給要件を緩和するよう通達を出しているが、自治体側では対応できていない。もともと生活保護の申請者が増えて相談窓口が繁忙になっているところに、受給要件を緩和すると、さらに申請者が増加し、対応できなくなる。

自治体の現場では、むしろ受給要件を厳しくする方向へシフトしがちだ。各地の保健所が新型コロナウイルスの感染を確認するためのPCR検査をなかなか受け付けないのと同じ状況が、ここでも起きている。

この状況を改善するためには、自治体の中で外部の人に任せられる仕事は、一時的に外部の人材を雇用して任せ、既存の職員は窓口業務の支援に回して、処理能力を向上させるべきだ。

さらに、生活保護などの申請受付業務のIT化を進め、人手による処理を削減することも重要になる。

今回のような緊急事態に際しては、前例に囚われず、こうした組織改革を迅速に実行することが危機管理の要諦だ。