コロナで判明、再雇用と脱サラ自営業に大きな差があるセーフティネット

東京郊外のニュータウンで妻と2人暮らしのAさん(64)は、同じ時期に家を買った隣家のBさん(63)とは同世代で家族ぐるみの付き合いだが、定年後、違う働き方を選んだ。
Aさんは雇用延長で会社に残り、給料は半分ほどに減った。それに対してBさんは定年後、営業コンサルタントとして独立し、「収入は現役時代とほとんど変わらない」と自慢話を聞かされてきた。
ところが、新型コロナの感染拡大で状況は一変。現在、Aさんはテレワークとなっているが、給料は今まで通り出る。それに比べて、Bさんはコンサル契約を全部打ち切られて仕事を失った。自営業で失業保険もおりないため、100万円の「持続化給付金」を申請中だ。緊急事態宣言が解除されても、当面、再契約は見込めないというのだ。
(マネーポストWEB 6月10日)

企業に雇用されている立場と自営業やフリーランスとの間にセーフティネットの差があるのは自明なことだ。

それは、高齢者に限らず、全ての世代にとって当てはまる。就活中の学生に、起業よりも大企業の正社員になることを望む者が多いのもこのためだ。

ただ、何を重視するかは、人それぞれでもある。収入の安定を優先するならば、新卒で大企業の正社員となり、定年まで勤めて、定年後は雇用延長でできるだけ会社に残るのが良い。

一方、安定よりも変化と挑戦を求めるなら、転職や独立をしてみるのも良いだろう。

そこには、リスクや苦労もある反面、安定した環境から一歩踏み出さなければ見ることのできなかった景色があるかもしれない。

新型コロナウイルスの影響によって、世界は悲喜交々ではあるが、パンデミックという一過性の事象で人生の生き方を判断するのは早計だ。