高齢化進むドライバー 人手不足倒産や物流崩壊を懸念

トラックドライバーの高齢化が進んでいる。所属ドライバーの年齢構成で一番多い年代について、船井総研ロジ、トラボックス、物流ウィークリーのメルマガ読者向けにアンケート調査を行ったところ、333社から回答があった。その結果、40代が159社(47.5%)で最も多く、50代が138社(41.3%)と続き、この2つの世代が全体の9割近くを占めていることがわかった。若年層を中心に、人が集まりにくい運送業界でこのままの状況が続けば、人手不足による倒産や物流崩壊が起こりかねない。
(物流ウィークリー 4月28日)

確かに、ドライバーの高齢化が進めば、人手不足倒産や物流崩壊の可能性は高まる。しかし、若年層の確保は、どの業界にとっても困難だ。トラックドライバーの待遇が他の業界に比べて顕著に高くならない限り、若いドライバーを増やすことはできないが、価格競争の激しい運送業界では、待遇の大幅改善は難しい。

そうであれば、ドライバーの高齢化が進んでも、人手不足倒産や物流崩壊に至らないようにすることが重要になる。高齢のドライバーが仕事を継続できるよう、企業は、多様な働き方を用意するなど、人事制度に工夫が必要だ。

加えて、健康管理や安全確保にも注力しなければならない。健康や安全の面では、最新のITの適用も選択肢のひとつだ。

腕に装着するウェラブル端末による健康状態のモニタリングやドラックに装備された安全運転機器は、それほど高価ではなくなっている。

物流崩壊を回避するには、運送業界全体で、こうした技術革新の成果を事業に取り込んでいくべきだ。