退職給付を非正規にも 118社調査、実施・検討6割

企業が働き方の多様化や高齢化に合わせて、退職給付制度の改革に乗り出している。日本経済新聞が有力118社の年金担当者にアンケートしたところ、契約社員など非正規社員への拡充を実施・検討する企業は60%だった。企業年金の大きなテーマとなっている定年延長を実施・検討する企業も75%にのぼる。人手不足が深刻になるなか、制度の魅力を高めて人材の確保を狙う。
(日本経済新聞 3月30日)

非正規社員にも退職給付を実施する企業は着実に増加している。特に、契約社員に対しては、正規社員との待遇の差を縮小して、長期に渡って確保しておきたいと考える企業が多い。これは、正社員の比率が減り、経験豊かな契約社員に依存しているという現場の事情の裏返しでもある。長く勤めれば退職一時金も企業年金も増えるとなれば、契約を継続しようと思う契約社員が増えるは確かだ。

足元では、新型コロナウイルスの感染拡大によって景気後退の局面に入り、非正規社員の解雇が拡がっている。しかし、長期的に見れば、人材不足が継続するトレンドにあることは否めない。一時的に、非正規社員の待遇改善が停滞したとしても、結局、給与だけでなく退職給付も同一労働同一賃金の方向に収れんし、正規社員と非正規社員の格差は縮小していくことになる。企業は長期的な視野に立って、人事制度を検討すべきだ。