古文書を人工知能で解読 高齢者の雇用創出も

散策を楽しみながら地域の歴史をたどるフットパスの愛好家らでつくる駒ケ根市の「まほろばの里研究会」(中島和彦会長)は、市内の寺社や旧家が保管している古文書や絵図など歴史的資料のデジタル保存に乗り出した。人工知能(AI)を使ったくずし字などの解読にも取り組む。貴重な資料を保存、活用することで地域の歴史をひも解き、文化振興に貢献するとともに、防災などにも貢献したい考え。将来的には、写真撮影などの作業を高齢者や障がい者、「ひきこもり」の状態にある若者らに委託することによる雇用創出も目指す。
(長野日報 3月24日)

AIの普及で仕事を奪われる職種もある一方で、AIが新たな雇用を生み出すこともある。画像などにその特徴であるキャプチャーを付ける作業を高齢者が請け負うことは珍しくなくなってきたが、長野では、古文書の写真撮影を高齢者に委託することが検討されている。

写真撮影は専用機材を貸与すれば、自宅でもでき、操作もそれほど難しくない。時間と場所を働く側で自由に設定できるのは高齢者には好都合だ。テレワークでも容易に作業ができて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も受けない。日本全国で古文書の撮影の需要があるわけではないが、AIの普及に伴って、同じようなデータのデジタル化需要は拡大する。近い将来、高齢者向きの典型的な業務として定着するだろう。