沖縄でシニア向け求人が好調、1.69倍に

深刻化する人手不足を背景に、沖縄県内でシニア・高齢者向けの求人が増加している。那覇ハローワークでは「シニア応援求人」が、2018年度上半期の計1438人に対し、19年度上半期は2433人と同期比1・69倍に増加した。また、高齢求職者も増加傾向にある。高齢者の社会進出が増える一方、生活のため働かざるを得ない高齢者も多いという。
シニア応援求人は年齢制限の無い通常の求人だが、特記事項として55歳以上を積極的に雇用すると明記するもの。仕事内容や人間関係の変化、体力面の懸念から就労に抵抗のある高齢者も多いが、シニア応援と明記することで、高齢者が応募しやすくなるという。
(沖縄タイムス 11月24日)

求人に特別な条件を満たす人材を積極的に採用する旨を特記することは、その条件に合った人を集めるのに効果がある。このことは、周知の事実だが、「55歳以上を積極採用」という条件を設定すると、とりわけ効果が高いことが、沖縄ハローワークの取り組みで実証された。「年齢不問」と特記されていても、実際は若い人が採用されるのではないかと思われがちであり、高齢者は応募に躊躇する。応募を敬遠しているそうした高齢者を労働市場に参入させるには、高齢者歓迎のメッセージは効果的だ。

さらに踏み込んで、55歳以上の人に何を期待しているか、何故55歳以上の人を求めているのか、そして、高齢者が働きやすくなるためにどのような工夫をしているのかをアピールすれば、なおいっそう効果が上がる。高齢者だと給与が少なくて済むから、というだけでは魅力に乏しい。沖縄ハローワークと企業のさらなる努力を期待したい。