退職後の豊かさランキング、日本は23位

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズはこのほど、2019年のグローバル・リタイアメント・インデックス調査の結果を発表した。同調査は、世界44カ国を対象に退職後の生活に影響を与える18の要因を分析、総合スコアを算出した。
退職後の豊かさを示す総合スコア1位を獲得したのはアイスランドで、前年2位からランクアップ。2位はスイスで前年1位から順位を下げた。3位には前年に続きノルウェーが入り、順位の変動はあったものの、トップ3の顔ぶれは前年同様となった。
(中略)
日本は23位で前年からワンランクダウン。健康指数に改善がみられ、生活の質指数と退職後の資金指数は横ばいとなった一方、物質的な豊かさ指数は低下した。
(マイナビニュース 9月26日)

退職後の豊かさランキングでは、日本の順位はいつも低迷している。長生きはするが、政府債務の多さなど、経済的な豊かさに関する長期持続可能性の評価が低い。このままでは、平均余命が延びることは、ポジティブな要素ではなく、ネガティブな要素になりかねない。

退職後の豊かさランキングの上位の国は、アイスランドやスイスなど小国が多い。小国は、自国の経済規模が小さい分、世界に開かれたグローバル経済を指向する。結果、生産性の低い国内産業の保護よりも国際競争力の高い産業に特化して、国民経済全体の生産性を向上させようとする。これが、経済成長と国家財政の安定をもたらす要因のひとつだ。社会保障費の収入と支出のバランスをとることは重要だが、財政の長期持続可能性を高めるには、日本も社会全体の生産性を向上させることを考えるべきだ。