「長期の世界株投資+年金フル活用」で増やす老後資金

10連休の間に株や為替の変動で損失が出ないか――。そんな不安を抱える投資家も多い。実際、海外では米連邦公開市場委員会(FOMC)や米雇用統計、さらには米アップルなどの重要決算発表も目白押しだ。ただし目指すのが老後に向けた資産形成なら、連休中に大きめの価格変動があったとしても長期では「誤差」の範囲。大切なのは長期投資に適した運用の仕組みづくりと、終身でもらえる公的年金のフル活用の組み合わせだ。

(中略)

「長期加入」「共働き」「繰り下げ」を組み合わせてベースの年金額を大きく増やしておくことで、将来の目減りの「痛み」を軽減することができる。

繰り下げの期間中はもちろん年金はもらえない。長期の資産運用でつくった資金を繰り下げ期間中をしのぐ原資とし、増額された年金を生涯もらえるようにするのも一つの選択肢だ。(日本経済新聞 4月29日)

日本がゴールデンウィーク中、世界の金融市場は比較的平穏だったが、むしろ、連休明けから株式市場は下落を続けている。短期的には、損失を被った人も多いだろう。しかし、この記事が指摘しているように、長い目で見れば、それほど大きな変化でもない。重要なのは、長期的な視点を持った資産運用と年金の繰り下げ、そして、仕事の継続だ。

ただ、資産運用はリスクを抑えればリターンも低い、また、年金の繰り下げても、年金額は増える一方で受給期間は短くなるため、生涯に受給する金額が大きく増えるわけではない。そう考えると、確実に生涯の収入を増やすのは、やはり、仕事の継続ということになる。できるだけ長く仕事をすれば、年金額も大きくなる。さらに、年金を支払わない年齢になっても働き続ければ、資産の減少を抑えることもできる。自分は十分に資産を蓄積したと思っている人も、経済変動など予測が難しい将来のリスクに備えて、仕事の継続を考えておくべきだ。