50代転職、3年で倍増 建築技術者に需要

50代の転職者が増えている。都心の再開発ラッシュで建築技術者の需要が高まっているほか、スタートアップ企業による求人では経理や経営企画ができる即戦力が人気だ。人手不足を背景に、スタートアップなどが提示する給与水準なども上昇。リクルートキャリアなど大手各社では50代の成約がこの3年で倍増し、業界全体では仲介による転職が年間2万人近くになったとみられる。大手企業が抱え込んでいたシニア人材の流動化が徐々に進みそうだ。
建設業の中央建設(東京・港)は昨年採用した約40人のうち半数超が50歳以上の建築技術者だ。全員が正社員で70歳の定年まで同じ労働条件と賃金で働ける。
(日本経済新聞 4月8日)

総務省の労働力調査によると、平成28年における建設業の男性生産労働者の平均年齢は44.2歳であり、他の産業と比較して高い。建設業は、人手不足が深刻で辞める人が少ない一方、若い労働力の確保が難しくなっており、高年齢化が進んでいる。55歳以上の就業者の割合は、全産業が25.5%なのに対して、建設業では33.9%だ。

加えて、建築業界では、生産労働者だけでなく、建築技術者や間接部門の専門家も同様の状況を呈している。外国人労働者を集めて現場の作業員を揃えても、設計や現場監督をする技術者が確保できず、工事が滞る例も少なくない。特に、中小企業では、建築技術者を集めるのに苦慮するケースが多くなっており、採用年齢の高年齢化と待遇改善が進んでいる。このため、定年後の大企業と中小企業との待遇の差は縮まり、一部では逆転現象も起き始めた。この流れにのって、建設業界におけるシニア層の流動化は、今後ますます拡大するだろう。