65歳定年制導入で妥結 郵政

日本郵政と国内最大の単一労組「日本郵政グループ労働組合」(JP労組、組合員約24万人)は14日、2019年春闘で、65歳定年制の導入や、一部の非正規社員に扶養手当を支給することなどで妥結した。定年延長は人手不足などを背景に高齢層社員の能力、経験を活用するのが狙い。65歳定年制は20年度に満60歳に達する社員から導入する。
(毎日新聞 3月14日)

JP労組は組合員24万人を抱える国内最大の労組であるだけでなく、官にも民にも影響力のある労組として知られている。郵政事業は郵政民営化によって民間企業である日本郵政となったが、もともとは国有事業であり、その給与体系は公務員と同じであった。そのJP労組と日本郵政の間で、65歳定年制の導入が合意されたことは、官と民における定年延長にとって追い風となるだろう。

公務員の定年延長は、既に既定路線となっているが、60歳以上の公務員の処遇については議論が続いている。日本郵政とJP労組が、定年を延長された職員の待遇について、どのような結論を出すか、それが公務員の定年延長問題の行方を占う試金石となるだろう。

一方、日本郵政は日本の物流業のビッグプレーヤーでもある。競合するヤマト運輸や佐川急便などの同業他社と、顧客だけでなく、人材も奪い合っている。日本郵政の定年延長導入は、日本の物流業全体の人事制度にも影響を与えるに違いない。