高齢者雇用ミスマッチ、求人増でも重労働 北九州シルバーセンター

北九州市シルバー人材センター(小倉北区)に、高齢化の波が押し寄せている。1989年に67・9歳だった会員の平均年齢は72・8歳に。経験豊富な高齢者に活路を見いだそうと、労働力不足に悩む企業側の求人は増加傾向にあるが、高齢者には重労働となるような求人で安全を考慮したセンター側が断るケースも出てきた。高齢者と雇用する側との間に「ミスマッチ」が起きている。
(西日本新聞 1月30日)

従来、シルバー人材センターへの求人は、清掃などの軽作業が多かったが、今では若年層と同じような重労働の求人もセンターに寄せられるようになってきた。これを求人と求職とのミスマッチと受け取るか、高齢者の雇用機会の拡大と捉えるかは、見方による。

人手不足に悩む建設業界では、70歳前後の作業員が働いていることは珍しくない。企業も建設現場における高齢者対策に力を入れ始めた。重労働が当たり前の建設作業であっても、若者との役割分担やシフトを変えることによって、高齢者が一定の役割を担っている例は多い。シルバー人材センターとしては、子育て支援のような高齢者に合った仕事を作り出すのも重要だが、一見、高齢者向きではないと思われる仕事を高齢者でも可能な仕事に変えることも大切な業務だ。