来たる2025年問題 今から備え必要

高齢化によって深刻さを増す人材不足や公的年金の危機が叫ばれるようになってきた。しかしさらに深刻な状況が生じる恐れがあると多くの識者が警告している。それが「2025年問題」だ。来たる2025年問題に備えて、今から十分な対策と備えが必要になるだろう。
 2025年問題とは、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる時代に起こる問題を指す。今後10年間ほどで日本の人口は15歳から64歳の生産年齢人口が7000万人ほどまでに減少することが予想されている。その一方で全人口に占める高齢者の割合は増加を続け、2025年には75歳以上の高齢者の割合は全人口の18%以上、65歳以上の高齢者の割合は30%を超える。世界の国々が今まで経験したことのない超高齢社会に直面するのだ。加えて高齢者世帯の約7割が一人暮らしもしくは高齢者の夫婦のみの世帯になることも見込まれている。
(エコノミック・ニュース 12月7日)

2018年も、もうまもなく終わろうとしている。2025年はそれほど遠い未来ではない。2025年問題は、今そこにある危機だ。十分な対策と備えが必要であることは間違いないが、決め手となる具体策は限られている。

少なくとも、65歳以上の高齢者が人口の30%以上を占める社会では、65歳以上の人々も働かなくては、働けない高齢者を支えることは難しい。しかし、65歳以上の人々が働くというのは、企業が価値を創造しない高齢者を雇用し続けることとは異なる。企業が、福利厚生の一環のような発想で高齢者の雇用を維持することは、企業内において、若年層が生み出した価値で高齢者を支えているに過ぎず、国全体の問題を企業内に移転させただけに過ぎない。

問題を解決するには、高齢者が価値を創造し続ける社会や企業の仕組みを確立することが必要だ。