日本の年金は世界で29位 米民間調査、持続性に課題

日本の年金制度は世界の34国・地域の中で29位――。各国・地域の年金政策を指数化し、優れた年金を評価する2018年度の国際ランキングがまとまった。日本の年金は持続性への評価が低く、順位を押し下げた。ランキングをまとめた米コンサルティング会社マーサーは「公的年金の支給開始年齢の引き上げ」などを日本の対策にあげた。
日本の総合指数(0~100)は48.2。総合の格付けは7段階のうち下から2番目の「D」ランクで前年度と変わらなかった。「対処すべき重要な弱点があり、改善しなければ有効性や持続性が疑問視される」と評価された。
(日本経済新聞 11月30日)

日本の公的年金の支給開始年齢は65歳に引き上げられたが、その引き上げのスピードよりも平均寿命の伸びの方が大きい。長寿は歓迎すべきことだが、このままでは、年金制度の持続性に疑念が生じるのは当然だ。この記事では、ランキング1位のオランダと2位のデンマークは公的年金の支給開始年齢を平均寿命に応じて変動させていると紹介している。確かに、平均寿命の上昇に合わせて支給開始年齢を自動的に上げるのは、持続性問題に対するひとつの解決策ではある。

ただ、年金の支給開始年齢の上昇に伴って企業の継続雇用年齢も上がらなければ、高齢者の収入は不安定となる。しかし、企業の継続雇用年齢を毎年変更するのは、ハードルが高い。政府は継続雇用年齢を70歳に上げようとしているが、企業に強制するのは難しそうだ。現実的な解のひとつは、70歳までの雇用の場を社会的に拡大することだ。雇用の場があれば、高齢者が年金の繰下げ受給を選択する割合が増える。そのためにも、企業内だけでなく、企業間で高齢者の労働力が移動する転職市場の拡大と活性化が重要だ。