高齢者雇用や健康寿命延伸でプロジェクトチームを発足、厚労省

厚生労働省は22日、高齢者雇用や健康寿命延伸などへの取り組み策を検討するプロジェクトチームを発足した。2040年を展望した社会保障・働き方改革本部(本部長・根本匠厚労相)を設置し、4つのテーマごとにタスクフォースを編成。健康寿命延伸と医療・福祉の生産性向上については、来夏をメドに25年にかけての工程表をまとめる。
高齢者雇用では高齢者の雇用機会の拡大に向けた施策や、年金受給開始年齢の柔軟化などについて議論する。健康寿命の延伸では、介護予防や生活習慣病の予防などに取り組んだ保険者への優遇措置の強化などがテーマ。医療・福祉の生産性向上ではICT(情報通信技術)を活用した業務の効率化策などについて検討を深める。
(日本経済新聞 10月23日)

厚生労働省の社会保障・働き方改革本部のテーマとは、健康寿命延伸、医療・福祉サービス改革、高齢者雇用、地域共生の4つだ。それぞれのテーマを主に所掌する部局が主査となって、関連部局をメンバーとするプロジェクトを運営する。総花的なテーマ設定にも見えるが、もともと厚生労働省の所掌事務が広範であることを考えると、こうなるのは当然とも言える。2040年を見据えた厚生労働省の再編への実証実験となるかもしれない。

一つの省の中で、これだけ広範なテーマについて検討できるのであれば、省内で各プロジェクトの検討結果を共有し、相互にシナジー効果を上げる施策を立案して欲しい。たとえば、健康寿命が延伸すれば、高齢者雇用にはボジティブな影響を与える。ロボット、AIの実用化で医療・福祉サービスの生産性が向上するなら、他の産業での高齢者雇用の促進にも応用できる。総花的なテーマ設定から総合的な政策が創造されることを期待したい。