厚労省「高齢者雇用開発コンテスト」、最優秀賞は「ゆのくに天祥」

厚生労働省はこのほど、2018年度の「高年齢者雇用開発コンテスト」の入賞企業を発表した。それによると、ホテルゆのくに(石川県加賀市)が厚生労働大臣表彰最優秀賞に選ばれた。表彰式は3日、東京都内で行われた。
(中略)
 定年年齢は60歳だが、継続雇用制度を採用しており、(1)希望者全員を65歳まで雇用(2)一定の条件のもと、70歳まで再雇用(3)運用で70歳以降も本人の就業意思などを条件に、年齢の定めなく雇用を継続―という形をとっている。
 年齢に関わらず、本人の希望に応じて働くペースを変えるオーダーメイド式の働き方を取り入れていることや、階段の手すり、自動ドアの設置および配膳台車、テーブルや椅子の軽量化など、高齢者が働きやすい環境改善に取り組んでいることなどが評価された。
(観光経済新聞 10月12日)

高齢者の雇用を拡大するには、65歳以上まで働くことができるよう雇用制度を整備するとともに、高齢者にとって働き安い職場の業務環境を整えることが重要だ。「ホテルゆのくに」は、その両方を高いレベルで達成していることが評価された。

特に、自動ドアの設置や設備の軽量化など、体力に自信のない高齢者でも働きやすいように工夫しているところは、他の企業でも参考になる点だ。ロボットやAIなどのハイテクでなくても、高齢者が就労するハードルを下げることはできる。高齢者の視点に立って、働く上での問題点を分析することが重要だ。そうすれば、問題解決の気づきを得ることができる。逆に、問題のない人、たとえば、体力のある高齢者を探すことばかりに注力していると、問題解決の糸口はつかめない。