シニア社員、やる気どう維持

人生100年時代を迎え、65歳への定年延長が現実味を帯びてきた。人手不足解消に有効とはいえ、課題はシニア社員のモチベーション。想定外の定年延長で緊張の糸が切れてしまっては職場の“お荷物”になりかねない。シニアの意思改革に加えて、やる気を促す工夫が勤務先にも求められる。
(日本経済新聞 10月5日)

65歳まで働けるとしても、シニアが働く意欲を維持できる職場環境でないと、その能力は十分に発揮されず、企業にとっても本人にとっても不本意な結果となる。それは、シニアでない従業員でも同じだ。逆に言えば、従業員の勤労意欲を高めるための従来からの施策は、シニアに対しても有効であり、必要な施策だということになる。したがって、シニアだからといって、業務や待遇を一律に変えるのではなく、能力と成果に応じて、昇進や昇格を行い、ボーナスも与えるというのは合理的な判断だ。

ただ、シニアの現役引退が遅れる分、総じて若手の昇進が遅れることにはなる。しかし、これは、過度な年功序列に縛られず、有能な若手は積極的に昇進させるという制度に変えていくことで、若手に能力を発揮する機会を与えることは可能だ。若いからといって、あるいは、高齢だからという理由で、昇進・昇格をさせない人事制度からは、脱却すべき時がきた。