エアビーで良い文化を長く残すデジタルシニア

Airdropでファイルを送信し、フェイスブックで小まめに近況をアップデートする。海外に行けばウーバーやLyftを使い、移動する。スマートフォンにはいろんなアプリがインストールされていて、当然のようにすべてのアプリを使いこなす。
若者に負けず劣らずデジタル機器を使いこなす、アクティブシニアが福岡県にいる。地下鉄七隈線「六本松駅」から徒歩5分ほどの場所にある「木香庵」で暮らす成田聖子(82)だ。
iPhoneを当たり前のように使いこなす彼女の姿もユニークだが、何よりユニークなのが「Airbnbが生み出しているシェアの価値」を2000年くらいから予想していたことにある。
成田はAirbnbが日本でもサービスを開始した2013年にすぐ登録し、「木香庵」の一部のスペースを貸し出したり、イベントで使ったりしていた。
(Forbes JAPAN 9月20日)

シニアがデジタル文化に弱いデジタルデバイドの典型と見なされていたのは、もはや昔話になりつつある。今80代の人が40代だったとき、オフィスでは既にワープロが使われていた。キーボードへの慣れという点では、日本はコンピュータが登場する遙か以前からタイプライターが普及していた欧米と比べても遜色ないレベルになっている。今の時代、PCやスマートフォンのアプリを使いこなすシニアは珍しくない。

この記事に登場する成田さんは、82歳にしてアプリを使いこなすだけでなく、そのサービスを活用してビジネスを行っている。民泊サイトのエアビーに自宅を登録し、世界中から観光客を受け入れ、先祖伝来の住居の価値を世界の人々と分かち合い、ビジネスとしても成功した。シニアでも、デジタルデバイトを乗り越えてデジタル文化の利点を活用することで、地理的な距離やコミュニケーションの壁を越えた活動が展開できる時代になってきた。