従業員は高齢者だけのスターバックスが登場 メキシコ

メキシコで、高齢者だけが従業員として働くスターバックスが登場しました。メキシコでは年々、高齢化が進んでいて、自活を促す取り組みとして注目が集まっています。この店舗は、首都メキシコシティーに先月、オープンしました。従業員は皆、高齢者で、指導役のスタッフに教わりながらコーヒーを注いだり、商品を包んで陳列したりと楽しそうに仕事をしています。
メキシコ政府の高齢者対策を担当する機関とアメリカの大手コーヒーチェーンのスターバックスが、高齢者の社会参加を促そうと共同で始めました。
(中略)
スターバックスは年末までに120人の高齢者を雇用したいとしていて、こうした取り組みによって高齢者の社会参加を加速させ、自活を促すことができるのか注目されています。
(NHK 9月4日)

 高齢化は日本だけの問題ではない。産児制限に否定的なカトリック教徒が多く、出生率の高いメキシコでも、高齢化は社会問題となっている。もっとも、メキシコでは、60歳以上が高齢者とされており、65歳以上を高齢者とし、さらにそれを引き上げようとしている日本に比べると、まだ、それほど深刻な状況ではない。ただ、高齢化のスピードが早いと社会の適応能力が試されることになる。

 スターバックスとメキシコ政府の取り組みは、高齢化についてメキシコ社会に警鐘を鳴らし、社会全体として対応を急ごうという機運を盛り上げる意図がある。その意味では、高齢者だけの店舗を作るのは、マーケティングに長けたスターバックスらしいアピールの仕方だ。120人の高齢者を120の店舗に一人ずつ配置するより、まず最初に高齢者だけの店舗を作った方が話題になる。実際、メキシコから遠く離れた日本のNHKが放送するほどの話題になっている。スターバックス高齢者店舗1号店は成功だったと言っていいだろう。