70歳雇用、努力目標に 多様な働き方へ政府検討


政府は高齢者が希望すれば原則70歳まで働けるよう環境整備を始める。現在は原則65歳まで働けるよう企業に義務付けており、年齢引き上げの検討に入る。2019年度から高齢者の採用に積極的な企業を支援する。その上で来年以降に高年齢者雇用安定法の改正も視野に70歳まで働けるようにする。少子高齢化や人口減少社会を見据え、多様な働き方を後押しするのが狙い。今秋から政府の未来投資会議と経済財政諮問会議で経済界も交えて本格的な検討に入る。
(日本経済新聞 9月6日)

継続雇用年齢を65歳以上に引き上げることは、国民経済にとって、労働力の維持や社会保障費の抑制という観点で望ましい。一方、それが義務となると、企業にとっては負担とリスクを伴う制度変更となる。まずは70歳までの継続雇用を努力目標とするのは、国と経済界とが折り合いやすい落としどころだ。

働く側にとっても、努力目標とはいえ、継続雇用の機会が増えることは、歓迎すべきことだ。少なくとも、65歳を超えても働くことを希望している人にとっては選択肢が増えることになる。

ただ、単に働く場所を増やすだけでなく、働き方の選択肢を増やすことも重要だ。65歳を超えれば、健康状態も時間配分の優先順位も個人差が大きくなる。健康上の理由からパートタイムを望む人もいれば、元気なうちに旅行をすることを優先して休日を多く取りたい人もいるだろう。こうした多様な働き方に、いかに細かく対応し、合理的な報酬体系を設計できるかが問われている。