シニア職場も人手不足 マンション管理や警備

定年退職者の再就職が多いシニア職場の人手不足が深刻になっている。マンション管理人の応募が年1割以上減っているほか、警備、清掃といった業種でも人手不足が目立つ。定年延長の動きに加え、他業種がシニア向け求人を増やしているためだ。警備会社などは対応策に取り組んでいる。
(日本経済新聞 8月12日)

マンション管理人、警備、清掃は、比較的体力を必要とせず、シニア向きの職場とされてきた。それだけに、給与もシニア向けの低い水準にとどまっていた。ところが、小売店や飲食店など、もともと若年層を雇用してきた職種がシニアの採用を拡大すると、そこでのシニアの待遇は若い層と遜色ない水準となる。より待遇の良い小売店や飲食店にシニアの雇用が移動するのは、自然な流れだ。

一方、マンション管理人、警備、清掃のシニア職場3定番の方も人材確保のために待遇を改善している。その流れが進めば、若年層にとっても魅力的な給与水準となり、若年層の応募も増えて、もはやシニア職場とは言えなくなるかもしれない。行き着く先は、年齢によって職場が決まらない社会だ。