山梨の3町、ふるさと納税で高齢者による「お墓の清掃」や「空き家見守り」

富士川町、市川三郷町が「ふるさと納税」の返礼品にお墓の清掃作業と空き家の見守りを導入した。身延町も月内から始める。公益社団法人の峡南広域シルバー人材センター(富士川町鰍沢)に登録する60歳以上の地域の人たちが提供しているサービスを取り入れた。故郷へ戻る機会の少ない町出身者の需要に応えるとともに、高齢者の仕事づくりを進める。
富士川町政策秘書課によると、墓の清掃は、年1回の希望の時期に、町内にある墓地の一区画(2メートル四方まで)で雑草や落ち葉、ごみなどを除去する。墓石清掃は含まない。
空き家の見守りは、年2回の希望の時期に、敷地内の雑草・雑木の繁茂状況▽害虫の有無▽建物破損▽郵便物の有無などを確認、撮影した写真を利用者へ送る。いずれも1万5千円以上の寄付で利用できる。
(産経ニュース 2月7日)

地方自治体による「ふるさと納税」の獲得合戦が過熱し、返礼品の豪華さを競う事態となっていたが、総務省が2017年4月、返礼品の上限を3割までにするよう通達を出したことで、ブームは沈静化の方向にある。
しかし、寄付額の3割であったとしても、返礼品の価値が高ければ、寄付を集めることはできる。
山梨県の3町が始めた墓の掃除や空き家見回りのサービスは、その例だ。物ではなく、サービスを返礼品とする点において、画期的ですらある。この3町の出身者にとっては、特産品を貰うことよりも価値が高い可能性もある。加えて、この寄付が地元の高齢者の雇用につながることで、故郷の経済活性化にも貢献できる。
一方、難点は、3町の出身者以外には価値がないことだ。しかし、この事例が成功し、全国で同様なサービスが始まれば、多くの人々が、自分の地元のサービスを受けることができるようになるだろう。今後の3町の成功を祈りたい。