戦力は70代 新潟の企業、採用数4年で2倍に

新潟県の企業で70代の人材を戦力として活用する動きが広がってきた。ひらせいホームセンター(新潟市)は100人規模で採用する計画で、印鑑チェーンの大谷(同)も増やす。人手不足だから高齢者に頼るのではなく、顧客の年齢層や必要なスキルを勘案すると70代以上が最適と判断した結果だ。70代以上で働く人は県全体で4年前に比べて2倍の3600人に達している。
(中略)
高齢者が働く場所はこれまで「ビルなどの清掃や警備、介護サービスなどに業種が偏っていた」(新潟労働局職業対策課の平田修一課長)。働き手の経験やスキルを踏まえて力を発揮できる仕事に配置できれば、企業にとっても利点が大きい。シニア雇用が拡大するこれからの時代は、企業が人材を見極める力も問われることになる。
(日本経済新聞 1月30日)

接客業務や長年の経験を活かせる業務を中心に、シニアの雇用が増えてきている。コンビニやファストフード店では、既に、シニアの大量採用が組織的に行われているが、今やホームセンターや印鑑チェーンなど、他の小売業へもこの動きが波及してきた。

もともと、ホームセンターや印鑑チェーンでの接客には、コンビニ以上に専門的な知識が求められる。これらの業界では商品やその使い方を的確に顧客に伝えることが重要だ。それにはシニアが培ってきた経験が役に立つ。

加えて、高齢化に伴い消費者の年齢も上がってきた。消費者と年齢差の小さなシニアの方が親しみやすくコミュニケーションが円滑になるという利点もある。今後、これらの業界におけるシニアの活躍の場は、ますます拡大していくだろう。