企業75%が希望者全員65歳まで、70歳は22%

厚生労働省が27日発表した2017年の高齢者の雇用状況調査によると、定年の引き上げや継続雇用などにより希望者全員が少なくとも65歳まで働ける企業の割合は75.6%で、前年より1.5ポイント増加した。少なくとも70歳まで働ける企業も22.6%と1.4ポイント伸びた。60歳以上の労働者は約22万9000人増え、約347万4000人となった。
(中略)
6月時点で従業員31人以上の企業約15万6000社の回答を集計した。99.7%が雇用確保措置を実施済みで、内訳は定年制廃止が2.6%、定年引き上げが17.1%、継続雇用が80.3%だった。
希望者全員が少なくとも65歳まで働ける会社は11万8081社で前年より4647社増えた。中小企業の78.0%(前年比1.5ポイント増)、大企業の55.4%(1.6ポイント増)を占めた。
(毎日新聞 10月28日)  

 

高年齢者雇用安定法に基づく雇用確保措置を実施している企業は、99.7%と、ほぼ100%に近い。しかし、希望者全員が65歳まで働ける訳ではない。雇用確保措置を定年制廃止や定年引き上げで行っている企業では、希望者全員が65歳以上まで働くことができるが、継続雇用の場合は、本人が希望しても継続雇用されないことがある。

厚生労働省の発表によると、継続雇用制度により雇用確保措置を講じている企業のうち、希望者全員を対象とする65歳以上の継続雇用制度を導入している企業は70.0% (前年比 1.4ポイント増加)、 高年齢者雇用安定法一部改正法の経過措置に基づく継続雇用制度の対象者を限定する基準がある継続雇用制度を導入している企業(経過措置適用企業)は30.0%(同 1.4ポイント減少)となっている。

つまり、雇用確保措置を講じていても、その80%を占める継続雇用制度のうち30%は希望者全員が継続雇用される訳ではない。全体の80%×30%=24%は、希望しても雇用継続されない可能性がある。この24%をいかに引き下げるかが今後の課題だ。