大和ハウス、技術系対象にシニア雇用4割増

大和ハウス工業は建物・設備の設計や現場監督といった技術系分野で、シニア人材の雇用を増やす。2018年3月期に50代以上の技術者を前期比4割増の70人ほど採用する。他社で定年退職した経験豊かなシニアを受け入れて施工力を高め、建設業界で課題となっている人手不足の解消にもつなげる。
 同社は17年3月期に契約社員も含めて350人を中途採用した。うち技術系は135人で、18年3月期は200人ほどに増やす予定。施工管理技士や1級建築士などの有資格者が対象で、3分の1ほどを50~60代で充当する計画だ。
 他社を定年退職するなどした技術者を主に採用する。同社は65歳が定年だが、適正と判断されれば継続して働ける。現在も65歳以上の社員100人ほどが勤務。15段階で査定して賞与に反映させるなど一般社員に近い就業環境を提供する。
(日本経済新聞 6月16日)

自社の従業員を60歳を過ぎても雇用し続けることは既に一般化しているが、大和ハウスは、それをさらに進めて、新規雇用の対象年齢も60代まで拡大した。

中途採用が増加傾向にあるとはいえ、今までは、対象年齢は50歳前後までというケースが多かった。それは、50代後半で第一線の業務から退くという人事制度を前提としていたからだ。しかし、定年が65歳となり、さらに65歳以上でも働くことが一般的になれば、中途採用の環境は自ずと変わる。70歳まで働くとすれば、60歳で入社しても10年間働くことができる。

今後、人材不足が深刻化している業界を中心に、大和ハウスの後に続く企業が続出するだろう。